12 months ago
仕事だから。十九世紀の夜明けからこのかた、仕事だから仕方がないという言葉が虫も殺さぬ凡庸な人間たちから、どれだけの残虐さを引き出すことに成功したか、きみは知っているのかね。仕事だから、ナチはユダヤ人をガス室に送れた。仕事だから、東ドイツの国境警備隊は西への脱走者を射殺することができた。仕事だから、仕事だから。兵士や親衛隊である必要は無い。すべての仕事は、人間の良心を麻痺させるために存在するんだよ。資本主義を生み出したのは、仕事に打ち込み貯蓄を良しとするプロテスタンティズムだつまり、仕事とは宗教なのだよ。信仰の度合いにおいて、そこに明確な違いは無い。そのことにみんな薄々気がついてはいるようだがね。誰もそれを直視したくない。」
»虐殺器官 / 伊藤計劃 - 誰が得するんだよこの書評 (via edieelee)
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